Bluerelationshipeconomy

“Can’t buy me Like” (「お金でいいね!は買えない」・・・もちろんビートルズのCan’t buy me love”のモジりと思われます)の著書があるDoug Levy氏は、「コンシューマー時代」が終わり、「リレーションシップ時代」に入ったマーケットで、市場を牽引するリーディングブランドになるための6つのポイントをあげています。6つに共通するのは、消費者を「征服」して製品を買わせるのではなく、消費者の共感を得ることで時代を引っ張るのが、リレーションシップ時代のリーダーだということです。

Whiterelatioshipeconomy

現代は、「変化」の時代。Levy氏によれば、70%以上のマーケティング担当者が、この2年間の変化は、過去50年の変化よりも劇的だった、と感じているそうです。そしてその変化は、新しいツールができたとか、そいうった表層的なものではなく、もっと深い変化だというのです。

売るモノを宣伝する「製品の時代」、売る対象である消費者のことを知ろうとする「消費者時代」を経て、企業と消費者の関係性が何よりも重要な、「関係性(リレーションシップ)」に入ってきた。それが深い変化の正体だと。

そして、リレーションシップ時代において、市場を牽引するリーダーたちの存在は、さらに輝きを増している。自分たちが売っている製品よりももっと大きなものを売り、そしてその「大きなもの」でフォロワーを牽引するリーダーたち。彼らは、市場の勝者のさらに上に立つ、一握りの存在なのです。

Brands that leads become leading brands.

マーケットを牽引するブランドが、リーディング・ブランドになる。

ちょっと禅問答のようになってきましたが、どういう意味なのでしょうか。

Relatioshipeconomy5Conditions

Levy氏は、リレーションシップ経済を牽引するリーダーたちには、少なくとも5つの共通点があるといいます。

リレーションシップ経済時代のリーダーの条件

1) Take a stand: 明確な目的意識を持ち、それを達成するために行動する。
Take a standというのは、訳すのがちょっと難しいのですが、自分たちがこだわりや信念を持つ問題に対して、姿勢を明らかにする、というような感じです。自分たちの信念を貫くためには、戦いも辞さない、というぐらいの強い決意を感じさせる言葉ですが、ここでポイントなのは、戦う相手は、決して「競合他社」ではない、ということ。これからのマーケットリーダーは、もっと大きなものに対して戦うのだ、といいます。つまり、自分たちが解決しようとしている問題に対して常に戦う姿勢を持っている。

リーダーたり得ないブランドは、Stand-dormant(戦う気もない)か、Stand-aware(戦う必要は理解している)。しかし、一握りのリーダーたちは、Stand-driven(戦うことこそが企業のモチベーション)である。

例えば、マクドナルドをおびやかしているファストフード業界の革命児、チポートレ・メキシカン・グリル。彼らは、マクドナルドと戦っているのではない。そうではなく、「ファストフードの常識を覆す」ことを使命として戦っているのです。大手ドラッグストアのCVSは、「健康を提供する」企業であることを徹底するため、タバコの全面販売停止に踏み切りました。

リレーションシップ経済時代のリーダーの条件

2) 相手を尊重することができる

リーダーになれない企業は、関心の範囲が「自分」もしくは「自分たち、自分のグループ」にとどまっている。しかし一握りのリーダーは、全体を見渡して皆の立場を尊重できるキャパシティを持っている。それが「信頼」につながる。

ところで、信頼とは何か。消費者との関係でいうと、ブランドに対して信頼があっても、実際の売り上げに結びついていない場合は、感情先行型の関係で、よい関係ではない。逆に、売り上げがあっても信頼がない場合、ブランドは非常に不安定な状況に置かれる。いつ他社に売り上げを奪われるかもしれないし、そのためにたくさんの広告費を使ったり、ディスカウントなどの手段で消費者をつなぎとめざるを得ず、苦しいコスト競争を強いられる。

信頼と売り上げが両方高い場合は、「サステイナブル」な関係と言える。顧客はそのブランドと長くつきあっていこうと考えているだけでなく、周りの人に積極的にそのブランドを薦めるエバンジェリストになってくれる。

例えば、オンラインでメガネを販売し、急成長しているワービーパーカー。在庫や店を持たずに経費を削減し、それを価格に還元しているが、彼らはフレームのサンプルを送ってくれる。何種類かのサンプルをかけた写真をとって、コミュニティにアップすると、他の顧客たちが、「どれが似合っているか」をアドバイスしてくれ、購入の際の不安を解消してくれる。

リレーションシップ経済時代のリーダーの条件

3) Inspire action(行動することを促す)

リーダーになれないブランドは、消費者を「退屈させないように」、あるいは「楽しませようと」する。一握りのリーダーたちは、消費者をインスパイヤして、アクションを起こさせる。

というよりも、リーダーとなるブランドは、消費者を「自分たちが征服してモノを買わせる相手」とは思っていない。むしろ、志を同じくする、コミュニティの一員と考える。

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)の制汗剤のプロモーションでは、制汗剤を売るのではなく、その製品を使う対象を応援する、というアプローチをとった。即ち、「全ての女性が、臭いを気にすることなく、大胆にいろいろなころにチャレンジできるように」という応援を、テーマとした。それに従い、これから制汗剤を何十年と使っていくであろう女子高生を対象とし、”Mean stinks”(いじめっていやだよね)というキャンペーンを展開。

ウェブ上にコミュニティを作り、誰かをいじめてしまって反省している女の子たちに、「あのときはごめんね」と謝る場所を提供した。これにより、ソーシャルメディアでP&Gが獲得したコネクションは、5000人から160万人に激増したばかりか、製品のマーケットシェアも8ポイント増大。

リレーションシップ経済時代のリーダーの条件

4) ぶれないのに、適応力がある

リーダーになれないブランドは、変化に対して「流されるまま」か、何とか「適応しようとする」。一握りのリーダー達は、変化の中でパイオニアたろうとする。

リレーションシップ経済時代のリーダーの条件

5) フォロワーを生む